「珊瑚は珊瑚だからいいんだよ」 幼い頃から「東久世家」の人間としてしか見てもらえなかった珊瑚を 初めて一人の人間として認めてくれた人、石榴。 石榴の前だと、珊瑚は素直に甘えることができた。 こんな関係が、いつまでも続けばいいと思っていた、そんなある日。 珊瑚の部屋を訪れた石榴はいつもと様子が違っていて……? いつから、ぼくのことを「姫君」と呼ぶようになったんだろう? どこか、くすぐったいような、はがゆいような気持ちになるけれど 昔のように「珊瑚」と呼んで欲しい――。